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概要:Praetorian Capital Managementのハリス・カッパーマン氏は、原油とウランが投資家に利益をもたらし続けると確信しているようです。同社は両資源に集中投資し、2019〜23年夏までに「734.1%」という驚異的な累積リターンを記録しています。
プレトリアン・キャピタル・マネジメント(Praetorian Capital Management)のハリス・カッパーマン氏は、原発燃料のウランが現在価格の数倍に相当する1ポンド数百ドルの水準まで高騰する可能性があると主張する。
Thomas LENNE/Alamy
原油とウランの価格が急騰している。
資産運用会社プレトリアン・キャピタル・マネジメント(Praetorian Capital Management)のハリス・カッパーマン氏は、コモディティ(商品)投資の対象としての原油とウランが投資家に利益をもたらし続けると確信している。
2022年秋以降、反発を挟みながらも下落基調が続いていた原油先物価格だが、6月下旬の1バレル67ドルから上昇に転じ、およそ3カ月で下落分を帳消しにして90ドルを突破した。
米経済の予想以上の底堅さから楽観的な見方が再び強まり、原油需要への懸念が払拭された一方、サウジアラビアの自主減産とロシアの輸出制限により、2007年以来最大の原油供給不足が想定され、市場はすでにタイト化している。
サウジアラビアとロシアは年末まで減産および輸出制限を延長する方針を発表、サウジやアラブ首長国連邦(UAE)など石油輸出国機構(OPEC)の加盟国と非加盟産油国で構成されるOPECプラスも、2024年末まで減産を維持することで6月に合意しており、原油価格への上昇圧力は当面続くと予想される。
そして、カッパーマン氏によれば、原子力発電用の燃料として知られるウランの価格は原油を超える大幅な上昇が予想されるという。
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ウランは3月中旬時点で1ポンド50ドルを下回って取引されていたが、その後急騰し、足元では60ドルの大台を超えている【図表1】。
【図表1】直近1年間のウラン価格(1ポンド当たりドル)の推移。
Trading Economics
カッパーマン氏は現在の数倍に相当する1ポンド数百ドルの水準もあり得ると強調する。
「1ポンド数百ドルに上昇する可能性は相当に高いと考えています。そこまで上がれば、後はどんな価格がつけられても驚くに値しません。こうしたものに天井はないのです」
コモディティ投資の対象としてウランはそれほど投資家から注目されているわけではないが、さすがにいつまでもそのような穴場的な投資先ではいられないとカッパーマン氏は語る。
「ウラン価格は(年初来)少しずつ上昇していたのですが、(ロシアのウクライナ侵攻直後の水準に匹敵する)高値に至るまではほとんど話題にもなりませんでした。
ここに来てようやく投資先としてのウランの有効性が確認されたわけです。ウランは実に、実に面白い。本当にとんでもないアップサイド(上振れ)の可能性を秘めていると思います」
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ウラン価格の爆発的上昇を予想する根拠
まともな投資家のほとんどは、人工知能(AI)関連銘柄や景気後退時にも大崩れしない高クオリティ銘柄に全集中で、ウランなどには目もくれない、ほとんど話題にも上らない。
だからこそ、もともとコントラリアン(逆張り投資家)のカッパーマン氏は目下、ウランに全力投球する。
彼自身が最高投資責任者(CIO)を務めるプレトリアン・キャピタル・ファンドは独自のルール設定で、ウランに全資産の最大比率を配分している。
カッパーマン氏のウランに関する見方はシンプルだ。
原油と同様、需要に対して供給が非常に少なく、そのような需給環境は恒久的に続く。ただし、日量1億バレルの世界需要に対し数百万バレル供給が足りない原油に対し、ウランは年間5000万ポンドの世界需要に対する供給が20〜25%も欠けており、その点は大きく異なる。
この規模感でコモディティが不足するのは過去にも例がない、とカッパーマン氏は語る。
また、話を聞いてもピンと来ない人もいるかもしれないが、ロシア・ウクライナ戦争あるいはその他地政学的緊張に関連したロジスティクス(物流)面の問題で、世界生産量のおよそ半分を占めるカザフスタンとウズベキスタンからの輸出が困難化しており、それが供給の大きな妨げになるとカッパーマン氏は指摘する。
ウランは必要に応じてすぐ増産するということができず、生産量の増加が始まるまで数年単位の時間を要する。したがって、現在の供給不足が解消されるのにも、やはり数年かかるかもしれない。
そうなれば、原発運営に関わる電力会社や政府はウラン在庫の減少に慌てふためき、高値でスポット(随時契約)購入せざるを得なくなり、ショートスクイーズ(踏み上げ)により価格高騰が加速する展開が想定される。
ここ数カ月のウラン価格の急上昇はすでに十分注目に値するが、それにしても全てはまだ始まったばかりというのがカッパーマン氏の見立てだ。
「何を想像して比べればいいのか分かりません。こうした相場展開を見るのは初めてです。とんでもない規模感のスクイーズが起きる気がしています」
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ウラン価格の先行きに関するカッパーマン氏の見方は異端の部類かもしれないが、だからと言って「眉唾(まゆつば)」の投資理論というわけではなく、実際、彼のプレトリアン・キャピタル・ファンドは文句のつけようのない実績を残している。
2019年初頭の運用開始から2023年8月までおよそ4年半、同ファンドの手数料を除いた累積リターンは「734.1%」と驚異的だ。
カッパーマン氏のプレトリアンが全資産の最大比率をウランに配分していることはすでに述べたが、具体的なエクスポージャーとしては、関連ファンドもしくは銘柄に投資する形を取っている。
投資家から集めた資金でウラン現物を購入・保有するファンド「スプロット・フィジカル・ウラニウム・トラスト(Sprott Physical Uranium Trust)」と、同じくウラン現物を購入・保有する企業「イエローケーキ(Yellow Cake)」がそれだ。
前者はカナダのトロント証券取引所に、後者はロンドン証券取引所に上場しており、各銘柄を購入することでウラン価格へのエクスポージャーを取れる。
カッパーマン氏は、探鉱など資源開発企業に投資するより、ウラン現物を保有する企業に投資する手法を推奨する。
なお、プレトリアンがウランに次ぐ資産比率を保有するのが原油。
カッパーマン氏は、原油の上流事業(探鉱・開発・生産)を手がける企業より、バラリス(Valaris)やタイドウォーター(Tidewater)など海洋掘削サービスを提供する企業に投資する方が、株価が割安な上、レバレッジ効果による大きなアップサイドを期待できると指摘する。
「オフショアエネルギー業界の銘柄はとにかく割安で、政治的リスクの観点でも(上流事業を手がける企業より)低リスクと言えます。(石油・天然ガス会社が昨今課されている)超過利潤税のようなナンセンスも一切対象外です」
※本記事は取材対象者の知識と経験に基づいて投資の選定ポイントをまとめたものですが、事例として取り上げたいかなる金融商品の売買をも勧めるものではありません。本記事に記載した情報や意見によって読者に発生した損害や損失については、筆者、発行媒体は一切責任を負いません。投資における最終決定はご自身の判断で行ってください。
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