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概要:昨年の弱気相場で大きな痛手を負った苦い記憶から、資金の安全な逃避先とみられた高配当の上場投資信託(ETF)には600億ドル(8兆9300億円)余りが流入した。
2023年11月28日 0:00 JST
グロース株は「どこにもいかない」-EPウェルス・アドバイザーズ
年初来の高配当ETFへの資金流入、2006年以来の少なさ
こうした中、200億ドル規模のSPDR S&P配当ETF (ティッカーSDY)は運用成績が総合リターンベースでマイナス3%、シュワブ米国配当ETF (SCHD)はマイナス2.4%、バンガードの高配当利回りETF(VYM)はほぼ横ばいと打撃を受けた。一方、インベスコ・ディビデンド・アチーバーズETF(PFM)はプラス6.6%とプラスを確保。プロシェアーズS&P500配当貴族ETF(NOBL)はプラス2.3%、バンガード米国増配株式ETF(VIG)はプラス9.6%となった。
インベスコのニック・カリバス氏は、PFMが精彩を欠いているのは、いわゆるハイテク7社で構成する「マグニフィセント・セブン」をアンダーウエートし、オラクル、シスコ・システムズ、IBMのようなそれほど成長性が高くないテク銘柄をオーバーウエートにしていることが要因と述べた。プロシェアーズは、NOBLの組み入れ銘柄は、S&P500種株価指数の構成銘柄全体の収益が今年縮小する中でも、平均して利益を伸ばし、「ファンダメンタルパフォーマンス」を実現したとしている。ステート・ストリートのマット・バルトリーニ氏は、配当株重視の戦略には「バリューバイアス」があり、2023年は「グロース市場」だと指摘した。
バンガードとブラックロックはコメントを控えた。
カリフォルニア州トーランスを拠点とするEPウェルス・アドバイザーズのポートフォリオマネジャー、アダム・フィリップス氏は、ここ1年にファンドの組成元から配当株戦略を売り込むメールや電話を何度も受けた。
「その餌には食いつかなかった」と言うフィリップス氏。グロース株は「どこにもいかない」とし、金利がピーク水準に達したらなおさらだと語った。
同セクターを避けているのはフィリップス氏だけではない。ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)によると、高配当ETFに今年流入した資金は7億8600万ドルにとどまり、2006年以来の少なさとなった。
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