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概要:米ウォルト・ディズニーは11月30日、復配を実施するとともに、同社取締役候補の指名を巡る規則を厳格化した。アクティビスト(物言う株主)で資産家のネルソン・ペルツ氏が同日公表した委任状争奪戦の計画に対応する。
23年度下期に1株30セントの配当-外部の取締役指名巡る要件強化
ディズニーが取締役選任案を拒否、株主に直接訴える-トライアン
米ウォルト・ディズニーは11月30日、復配を実施するとともに、同社取締役候補の指名を巡る規則を厳格化した。アクティビスト(物言う株主)で資産家のネルソン・ペルツ氏が同日公表した委任状争奪戦の計画に対応する。
ディズニー株を約30億ドル(約4430億円)相当保有するペルツ氏のトライアン・ファンド・マネジメントは30日、取締役選任案を提示していたが、ディズニーがこれを拒否したと発表。「株主に変更を直接訴える」ほかないと表明した。
トライアンの発表とディズニーによる対応を受け、来年の年次株主総会に向けた委任状争奪戦が行われる方向だ。ディズニーは先月29日、モルガン・スタンレーのジェームズ・ゴーマン会長兼最高経営責任者(CEO)とスカイ元経営幹部ジェレミー・ダロック氏の2人を取締役に迎えることを明らかにした。
トライアンはディズニーの取締役選任を巡り、「投資家の信頼を取り戻し、この取締役会が目の当たりにしてきた重大な価値の破壊やつまずきの背景にある根本的原因に対処することはできない」と主張した。
転換の途上
一方、ディズニーは30日の発表資料で、「世界の並外れたエンターテインメント企業としての立場を強化すべく、当社は大規模な転換の途上にある」と説明。復配方針に従い、2023年度下期に1株当たり30セントの配当を実施するとした。新型コロナウイルス禍で配当を停止していた。
また、ディズニーは外部からの取締役候補指名に関する要件を厳格化。届け出によると、情報開示条件を強化し、会社の質問書に回答することを取締役候補者に義務付ける。
ディズニー株主ブラックウェルズ・キャピタルのジェーソン・アインタビ最高投資責任者(CIO)は発表文で、「ペルツ氏とトライアンは、ディズニー取締役会の経験豊富な声を代えるという犠牲が大きく破壊的な取り組みを撤回する必要がある。無分別で派手なアクティビズムは株主にとって正しい戦略ではない」と指摘した。
ペルツ氏は昨年もディズニーに対して委任状争奪戦を始めたが、同社CEOに復帰したボブ・アイガー氏(72)が今年2月、大規模なコスト削減計画を打ち出したことを受けて取りやめていた。
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