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概要:米国債市場は2024年最初の取引日となった2日、利回りが大幅に上昇し、世界的な債券売りの流れに加わる格好となった。欧米などの主要中央銀行が今年、大幅な利下げに踏み切るとの見方が後退している。
2024年1月3日 0:57 JST
米国と独の10年債利回り一時9bp上昇、英10年債利回り15bp上昇
短期金融市場の利下げ織り込み、先週に比べて低下
米国債市場は2024年最初の取引日となった2日、利回りが大幅に上昇し、世界的な債券売りの流れに加わる格好となった。欧米などの主要中央銀行が今年、大幅な利下げに踏み切るとの見方が後退している。
米10年債利回りは一時9ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇して3.97%を付けた。ドイツ10年債利回りも同じく一時9bp上昇して2.11%と、この2週間余りで最も高い水準を付けた。英10年債利回りは一時15bp上昇した。
米国債市場では年限が短めの国債が特に売り圧力にさらされており、それを背景にブルームバーグ・ドル・スポット指数が大きく上げた。
短期金融市場が織り込んでいるほどの金融緩和は実施されないのではないかとの見方が、国債市場のこうした動きにつながっている。中銀当局者らは今回の利上げサイクルでの最後の引き上げは終えた公算が大きいことを示唆してきたが、インフレとの闘いを尚早にやめる構えは示さないとみられる。
UBSグループの金利ストラテジスト、エマヌイル・カリマリス氏は「市場はこの先、恐らくもう少し弱気のトーンを帯びるはずだ」と、ブルームバーグテレビジョンで指摘。「欧州中央銀行(ECB)や他の中銀は警報解除信号を発してはいない」と述べた。
米短期金融市場は2024年に計150bpほどの米利下げがあるとの見方を織り込んでいる。これは先週末に比べて約7bp少ない。雇用のペースは減速しつつあるものの、労働市場は底堅く、伸びは緩やかながらも、米経済が今年も拡大を続けるとの見通しを支えている。
ECBについては、今年158bpの利下げを行うというのが市場の見方だ。先週に比べて10bpほど低下した。ユーロ圏のインフレは鈍化しているが、ECB当局者の間には向こう数カ月でインフレ率が再び上昇するリスクを指摘する声がある。5日にはユーロ圏の消費者物価指数(CPI)が発表される。
中東での戦闘も原油価格上昇への懸念を高めている。社債の新規発行が大量に控えているとの見通しも、国債相場への重しとなる公算が大きい。
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