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概要:世界経済は過去数十年前よりも低い成長率で足取り鈍く進んでいると、世界銀行は指摘した。高金利や貿易の低迷、地政学的な緊張によって新型コロナウイルス禍後の回復が圧迫されており、発展途上諸国が最も大きな打撃を受けるとの見解を示した。
2020-24年の世界成長、1990年代初頭以来の低い伸びを予想
24年の世界成長率見通しは2.4%、6月時点の予想を据え置き
世界経済は過去数十年前よりも低い成長率で足取り鈍く進んでいると、世界銀行は指摘した。高金利や貿易の低迷、地政学的な緊張によって新型コロナウイルス禍後の回復が圧迫されており、発展途上諸国が最も大きな打撃を受けるとの見解を示した。
世銀は9日に公表した最新の世界経済見通し(GEP)で、世界の活動は2024年末までの5年間に1990年代初頭以来最も弱いパフォーマンスになると予想。途上国の4カ国中1カ国がコロナ禍前よりも貧しい状態に陥る「悲惨な節目」になると分析した。
世銀のチーフエコノミスト、インダーミット・ギル氏は声明で、「大きな軌道修正がなければ、2020年代は機会を無駄にした10年間となるだろう」と指摘。こうした短期的な成長の低迷により、最貧国の多くは「身がすくむような水準の債務を抱え、ほぼ3人に1人は食料へのアクセスが危うくなる」と記した。
投資押し上げや財政政策強化を目指す方策が講じられなければ、発展途上国の国民1人当たり投資成長率は23-24年に平均3.7%と、過去20年間の平均の約半分になるとしている。
24年の世界成長率については2.4%と、昨年の2.6%を下回り3年連続で減速すると予想。昨年6月時点の予想を据え置いた。25年は2.7%と、従来見通しから0.3ポイント下方修正した。2010年代の成長率実績は平均で3.1%だった。
世銀の見積もりによれば、20-24年の世界成長率は2.2%と、5年間としては1990-94年に記録した2.1%以来の低い伸びとなる。
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