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概要:紅海での危機的な状況は、自動車からエネルギーまであらゆる輸送を混乱させている。高騰するコストとサプライチェーンのひっ迫が企業の決算に表れるのは時間の問題だ。
サプライチェーンひっ迫で運賃・保険料上昇、自動車や小売りに響く
テスラは2週間の生産停止計画、ボルボ・カーは3日間の工場停止
紅海での危機的な状況は、自動車からエネルギーまであらゆる輸送を混乱させている。高騰するコストとサプライチェーンのひっ迫が企業の決算に表れるのは時間の問題だ。
既にいくつかの企業はその影響を警告している。電気自動車メーカーの米テスラは出荷遅延によりドイツ工場で2週間の生産停止を計画しているほか、スウェーデンのボルボ・カーはベルギーの工場を3日間操業停止にすると発表した。英小売り大手のテスコやマークス・アンド・スペンサー・グループ、ネクストは小売価格を値上げせざるをえない恐れがあると明らかにした。
全ての背景にあるのは2300隻以上の船舶が、イエメンの親イラン武装組織フーシ派による紅海での攻撃を避けるために長時間の迂回を強いられていることだ。複数の中央銀行当局者は、この影響によるインフレ加速を警戒している。
欧州を中心に多くの企業が輸送時間の増加や運賃・保険料の上昇に直面している。今年の企業利益見通しについて、アナリストは再考せざるを得ない状況だ。
ブルームバーグがまとめたデータによれば、過去3カ月で自動車メーカーの利益予想のコンセンサスは5%低下した。一方で、一部のルートでコンテナ運賃が300%も急騰したことを背景に、海運会社が勝ち組として浮上しつつある。欧州のMSCI輸送株指数はわずか2週間で7%上昇した。
ラザード・フレール・ジェスチョンの株式責任者トマス・ブレニエ氏は、自動車セクターへのエクスポージャーを縮小。「サプライチェーンが複雑でひっ迫しているため、真っ先に打撃を受けるセクターの一つ」だと指摘した。小売業も「販売商品不足に悩まされる可能性」があるとして避けている。
ブレニエ氏はさらに「この状況があと1-2カ月続けば、これに関連した業績下方修正が出ることは間違いない」との見方を示した。
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