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概要:金融庁は24日、信用金庫大手の西武信用金庫(東京都中野区)に対し、信用金庫法に基づき業務改善命令を出したと正式発表した。昨年秋から実施した立ち入り検査で反社会的勢力と疑われる先への不適切な融資が発覚したほか、融資審査も不十分で、経営管理体制に重大な問題があると判断した。 金融庁は、1)責任の明確化と内部統制の強化、2)融資審査を含む信用リスク管理体制の強化、3)反社会的勢力などの排除に向けた管理体制の抜本的な見直し――の3点を命令。改善計画を6
[東京 24日 ロイター] - 金融庁は24日、信用金庫大手の西武信用金庫(東京都中野区)に対し、信用金庫法に基づき業務改善命令を出したと正式発表した。昨年秋から実施した立ち入り検査で反社会的勢力と疑われる先への不適切な融資が発覚したほか、融資審査も不十分で、経営管理体制に重大な問題があると判断した。
金融庁は、1)責任の明確化と内部統制の強化、2)融資審査を含む信用リスク管理体制の強化、3)反社会的勢力などの排除に向けた管理体制の抜本的な見直し――の3点を命令。改善計画を6月28日までに提出し、直ちに実行するよう求めた。
金融庁は24日の記者向け説明で、西武信金について「業績評価の重心が貸し出しを伸ばすことに置かれ、報酬もリンクしていた」と指摘。西武信金が融資実行を優先するあまり、内部管理体制の整備を怠っていたとした。
投資目的の賃貸用不動産向け融資では、案件を持ち込む業者が預金通帳のコピーなど融資関係資料を偽造・改ざんしているのに金庫の職員は見過ごしていた。金融庁によると、看過の可能性が高いケースは127件で、このうち73件は改ざんが認定された。
法定耐用年数を超える年数にわたって融資する際には、適切な見積もりが不可欠だが、西武信金の職員は法定耐用年数を超える耐用年数を証明する外部の一級建築士や不動産鑑定士に対し、耐用年数や修繕費用を指示していた。不適切な行為は258件と、外部専門家による証明が必要なケースの1割に上った。
一方、反社会的勢力との取引排除に向けて十分な経営資源を配置すべきところ、西武信金の担当者は1人だけだった。一部の営業支店長は、準暴力団の幹部の親族と疑われる人物との取引について西武信金の監事から指摘されていたにもかかわらず、十分な確認を怠り、融資を実行していた。
金融庁は、不適切な融資の背景として、西武信金の落合寛司理事長の存在も大きかったとみている。落合氏の発言力が強く、他の経営幹部のけん制機能が十分に発揮されてこなかったと指摘した。
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