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概要:11月1日から始まる大手商社の2022年4―9月期決算発表は、通期見通しをどこまで上方修正し、上振れ分をどう株主に還元するかが注目される。資源高と円安による今期の好業績は、10月上旬に伊藤忠商事が通期予想を引き上げたことで株価におおむね織り込まれた。世界経済の先行きに不透明感が強まり、資源価格が落ち着く中で、来期増益に向け非資源分野に変調がないかに心が集まりそうだ。
11月1日から始まる大手商社の2022年4―9月期決算発表は、通期見通しをどこまで上方修正し、上振れ分をどう株主に還元するかが注目される。都内で2021年6月撮影(2022年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
[東京 31日 ロイター] - 11月1日から始まる大手商社の2022年4―9月期決算発表は、通期見通しをどこまで上方修正し、上振れ分をどう株主に還元するかが注目される。資源高と円安による今期の好業績は、10月上旬に伊藤忠商事が通期予想を引き上げたことで株価におおむね織り込まれた。世界経済の先行きに不透明感が強まり、資源価格が落ち着く中で、来期増益に向け非資源分野に変調がないかに心が集まりそうだ。
金融情報会社リフィニティブのIBESがまとめた大手商社5社(伊藤忠商事、三井物産、三菱商事、住友商事、丸紅)のアナリスト予想(10月28日時点)によると、23年3月期の純利益合計は3兆7029億円。会社予想の合計値を約15%上回る。
上半期は第1・四半期を中心に、原料炭、鉄鉱石、原油などが高値圏で推移。各社とも業績が会社計画を上回って着地する可能性が高く、通期見通しへの上乗せが期待されている。既に伊藤忠は先月4日、純利益予想を従来の7000億円から前期比2%減の8000億円に引き上げた。
上方修正に伴い市場から求められるのが、追加の株主還元。三井物産は約1000億円、三菱商事も約700億円の自己株取得を9月に終了し、いずれも追加の取得や増配が期待される。10月に米穀物大手ガビロンを売却し、最大4000億円の資金回収を見込む丸紅も同じだ。伊藤忠は期初見通し比10円の増配と最大350億円の自社株買いを発表した。
「商社の今期の悩みは利益が出すぎてしまうこと」と、大和証券の永野雅幸シニアアナリストは指摘する。好調な今期業績は来期へのハードルを上げることになる。
IBESのアナリスト予想を見ると、24年3月期の純利益は5社合計3兆2170億円。今期の市場予想を13%下回っており、市場は減益を織り込んでいる。伊藤忠商事の鉢村剛最高財務責任者(CFO)は上方修正を発表した際の会見で23年度も8000億円を目指すとしたが、市場予想は7191億円の減益だ。
鉄鉱石など資源価格の高騰が足元で一部沈静化する中、市場が注目するのは非資源分野の稼ぐ力だ。UBS証券の五老晴信アナリストは「金利上昇による流動性の縮小に伴い、資源市況のアップサイドが限定的になるため、市況にベットした投資アイディアには強気になりづらい」と指摘。「上半期決算で注目すべきは非資源事業での業績の進捗の高さ」と述べた。
資源高が業績をけん引する一方で、丸紅が米国で手掛ける農業資材販売や牛肉事業、住友商事の北米鋼管販売など、各社は非資源分野も伸ばしてきた。伊藤忠は上方修正の要因として、自動車販売や住宅建材などが堅調なことも挙げていた。「上期好調だった自動車事業、機械、金属事業の鋼管、住宅資材などに足元で変化の兆しが見えていないかに注目している」と、JPモルガン証券の福元千佳アナリストは話す。
バリュー株への長期投資を手掛けるオービス・インベストメンツは、三菱商事や住友商事をポートフォリオに組み入れている。「人材を含めたグローバルなフランチャイズの価値がほぼゼロとみられている今の株価は割安」と、日本法人の時国司社長は指摘する。脱炭素の流れの中で「LNG(液化天然ガス)を含む政府のクリーンエネルギー推進は、サプライチェーンの構築を得意とする商社の業績に対し、追い風となる可能性が高い」とも話す。
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