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概要:英国のインフレ率は、食品とエネルギーコストの上昇圧力が緩和されることで5月に1.5%まで低下し、イングランド銀行(英中央銀行)の目標を十分に下回る。INGグループがこうした予想を示した。
スミス氏の予想、エコノミスト調査コンセンサスよりはるかに楽観的
インフレ率の急低下はイングランド銀の利下げを容易にする可能性
英国のインフレ率は、食品とエネルギーコストの上昇圧力が緩和されることで5月に1.5%まで低下し、イングランド銀行(英中央銀行)の目標を十分に下回る。INGグループがこうした予想を示した。
INGのエコノミスト、ジェームズ・スミス氏は、今後数カ月にインフレ率は「広範に」低下するとの予測を示しつつも、イングランド銀は夏まで利下げを見送る可能性があると警告した。
この見通しは、インフレ率がここ3年余りで最低水準まで下がり、中銀目標である2%をも下回ることを意味する。実現すれば、物価高への対応で批判にさらされるイングランド銀のベイリー総裁にとっては画期的な瞬間となるだろう。
英国のインフレ率は現在3.9%だが、同国の物価上昇圧力はもはや国際的な異常値ではなくなっており、見通しはここ数カ月で大幅に明るさを増している。それでもなおスミス氏の予測は、2025年4-6月(第2四半期)までに2.1%にまで緩やかに鈍化するというエコノミスト調査のコンセンサスに比べはるかに楽観的だ。
INGによると、天然ガスと食品価格の落ち着きに加え、消費財への圧力が和らぐことで、物価上昇ペースは緩和し始めている。17日に発表される昨年12月の統計では、インフレ率は3.8%と前月をわずかに下回る数字が見込まれている。
Britain Has Narrowed the Inflation Gap With Its G7 Peers
Source: Statistics agencies
Note: Harmonised Index of Consumer Prices for Germany, France and Italy. UK CPI is produced on a consistent basis. UK December figure is the median forecast in a Bloomberg survey
ただスミス氏は、春までにインフレ率がイングランド銀の目標を下回ったとしても、市場が織り込んでいるような年前半の利下げにはつながらないかもしれないと警告する。
「特に3月に減税が発表された場合、市場の5月利下げ織り込みは先走りとなるリスクがある」と同氏は指摘し、最初の利下げは8月と予想。3月の大規模な財政出動によってイングランド銀が利下げを待つことになる可能性もあると付け加えた。
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